財政難にあえぐ地方自治体に朗報!?ウォーキングで健康と仮想通貨が手に入るゲーム「BitHunters」
「今月は最寄駅の一駅前から電車を降りて沢山歩いたから、トークンをたくさん稼げたよ」
こんな日が来るのも遠くないかもしれません。FinTech分野のベンチャー企業の登竜門とされるFIBC(Financial International Business Contest)に登壇したスタートアップの「リアルワールドゲームス株式会社」が、あの「ポケモンGO」を超える大ヒットアプリを誕生させる予感がします。
一見流行りの「仮想通貨を使ったゲーム」のようですが、実は日本の社会問題を解決するかもしれない大きな可能性が潜んでいるプロジェクトなのです。声を大にして言います。「BitHunters」は日本を変えるかもしれません!
仮想通貨が歩くだけで手に入る?「BitHunters」とは
会社HPによれば「日常を冒険に!」をテーマにしたリアルワールゲーム。ひと言でいえば「仮想通貨が儲かるポケモンGO」です。現実世界を歩きながら、同時に冒険を楽しめるスマホ向け位置情報ゲーム。現実の街を歩き、現実空間で敵を倒しながら冒険していく、現実世界が舞台のRPGですね。
リアルワールドゲームとは、米 Niantic 社の「Ingress」や「Pokemon GO」に代表される世界地図と現実を重ね合わせた位置情報ゲーム分野の総称のこと(開発会社HPより)。
「世の中をもっと健康に!」運営会社の目指すもの
BitHuntersを開発中の「リアルワールドゲームス株式会社」は、ゲームを楽しみながらウォーキングを促進することでプレイヤーを健康にし、医療費の削減を目指しているようです。
神戸市とも協力して実証実験を2018年3月から開始予定とのことで、今後多くの自治体と提携することが予想されます。
実証実験が進行中。神戸市とリアルワールドゲームスの取り組みとは
リアルワールドゲームスは神戸市民の健康課題を、
- 「リアルワールドゲーム」
- 「トークンエコノミー」
を活用することにより解決しようとしています。つまり、頑張った人が報われる「報酬の仕組み」が実装された健康ゲームということですね。実証実験を経て他の自治体や企業にも導入を目指します。
ゲームと投資を掛け合わせることにより「意識せずに健康行動が習慣化される仕掛けづくり」ができているのですね。
トークンエコノミーとは、ブロックチェーン技術を使って会社が発行したトークンを使った経済圏のこと。リアルワールドゲームス株式会社は、トークンをインセンティブとして歩数を増やすことができるかを検証する予定とのこと。
自治体の課題をゲームで解決?健康寿命を延ばすことの意義
ここからがポイント!
実は「BitHunters」は地方自治体の抱える大問題を解決するかもしれない可能性を秘めている、と筆者は考えています。
社会保険料が財政を圧迫!財源が子育て支援に回せない
社会保障制度が抜群に充実している日本ですが、「社会保障費は20兆円増えた 平成の30年間(日本経済新聞)」にも書かれている通り、高齢化が進むにつれて社会保障にかけるお金が財政を逼迫させているのです。その結果、本来お金をかけるべき子育て支援などに資金が回せない状況になっているのです。
また財務省「社会保障の費用と、その財源はどのように変化してきた?」によれば、社会保障に関する収支は図のようになっているとのことです。
高齢化の進展などにともなって、年金、医療、介護などの社会保障給付費が大きく伸びてきています。一方で、社会保険料収入は近年横ばいで推移しているため、社会保障給付費と社会保険料収入の差額は拡大傾向にあります。この差額は、主に国や地方自治体の税負担(殆どが借金)でまかなわれることになります。つまるところ、若者への負担の付け替え(!)に他ならないのです。
企業や個人にとっても医療費負担は大問題
また、企業にとっても人ごとではありません。健康経営が謳われる昨今ですが「大企業、健保組合の4分の1解散か 財政難、37年までに(産経)」にもある通り、企業の健康保険組合も財政難にあえいでいる状況なのです。保険料は企業と従業員が原則折半して拠出しているため、負担増は従業員にとっても会社にとっても由々しき事態です。
増え続ける慢性疾患患者の医療費が諸悪の根源
(予防医療のエキスパート「DPPヘルスパートナーズ」HPより抜粋)
生活習慣の変化や医療の高度化等により、「慢性疾患患者」の占める割合が増加し、それが医療費増加の要因になっているのです。 医療保険者の医療費の支出をみると、以下のように、「慢性疾患」の治療が医療費を大きく押し上げている「悪者」であることがお分かり頂けますでしょうか。
重症化している数パーセントの方の医療費が全体においても大きな割合を占めているのです。
糖尿病のケース
とある医療保険者の糖尿病に関連した分析結果をみると、糖尿病の初期の治療費は1人あたり年間5万円から30万円程度ですが、腎不全を合併して透析治療にまで移行してしまうと1人あたり年間500万円以上(初期の100倍!?)になります。
その他の慢性疾患のケース
高額医療費問題は、糖尿病腎症に限りません。
心臓カテーテル治療入院1回で平均207万6700円、心臓バイパス手術入院1回で平均459万3600円かかっているという調査結果もあります。
「重症化予防」が社会保障費を減らす「鍵」
社会保障費を減らすには、「重症化」を防ぎ、1人あたりの医療費を減らしていく他方法はありません。医療費を払う「人口」はこれから高齢化でどしどし増えていくので、「1人あたりの金額」を抑えるのが近道です。一方で、広島県の呉市は予防医療を積極的に実施し、人工透析者の数自体を減らすことにも成功しています。まだまだ改善の余地はあるかもしれませんね。
おわりに
仮想通貨(ブロックチェーン)×健康=社会の課題解決という思わぬ数式が完成しようとしていることに筆者も良い意味で驚きを隠せません。FinTechベンチャーは、ワクワクするようなサービスや使いやすいサービスを作っているだけではなく、社会の課題を解決して「将来をデザイン」する大きなパワーを持っていると実感しました。「リアルワールドゲームス株式会社」と「BitHunters」に大いなる期待を込めて応援していきたいと思います!
爺さん婆さんが、”「BitHunters」のお陰で仮想通貨も稼げるし散歩もできて健康になったよ”なんて言いはじめる日もそう遠くないかもしれませんね。少なくとも私は50年後も健康で、自分たちの子孫に自分の医療費を負担させるようなことは絶対にしない、と心に誓いました。
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